※本レビューは株式会社アークライト様から商品提供を受けて作成しています。
……ですが、MerryMerryはいつもと変わらずド正直にレビューしていきますので、参考になりましたら幸いです

今回はゲーマー歴20年以上
のゲーム大好き夫婦が
ビヨンド・ザ・ホライゾンを
徹底レビュー!

「どういうゲームなの?」
「2人プレイは面白い?」
という点も、分かりやすく
まるっとお答えします!
詳細情報

タイトル/title | ビヨンド・ザ・ホライゾン/ Beyond the Horizon |
定価 | 11,000円(税込み/2025年4月現在) |
ゲームデザイン | デニス・K・チャン/Dennis K. Chan アダム・ヒル/Adam Hill ベン・ピンチバック/Ben Pinchback |
2人プレイ | 〇 →相手を選ぶけれど楽しめる! |
おすすめする方 | 自分で攻略法を見つけるのがお好きな方 実力・練度差が出るゲームがお好きな方 少ない資源をやりくりするのがお好きな方 |
▼駿河屋
ボードゲームビヨンド・ザ・ホライゾン 日本語版 (Beyond the Horizon)
それでは詳細を
見ていきましょう!
どういう面白さのゲーム?

とっつきやすくなったけれど、
人は選ぶ!
遊んで習得していくタイプの
ボードゲーム!
となっています
こちらの作品は『ビヨンド・ザ・サン』の
リメイク作品です
テックツリーのシステムはそのままに、
文明開化というテーマに変更し
星系周りをカット→土地の探索に変更
しています

見覚えのあるメインボードです
今回は良かった点・気になった点を
項目ごとに詳しくレビュー
していきますので、
お好きな箇所を読んで頂けましたら幸いです
このゲームの良さを説明するためには
どうしても『気になった点』を
まず見ていただく必要があるので、
早速『気になった点』から参ります!
※気になる点は知りたくないよ!という方は
飛ばしてお読みください
気になった点のまとめ
気になった点は大きく分けて3つあり、
①初期能力や指導者
(前作で言うイベントカード)の
能力差がかなりある
②兵士や入植者まわりのストレス
(戦力値表示方法、入植や要塞化の手間)
③かなり広めの机のスペースが必要
な点です
それぞれ詳しく見ていきます!
(※概要だけでいいよ!という方は
次の項目まで飛ばしてくださいね)
①初期能力と指導者の能力差がかなりある

レベルが上がるとアクションの効率がやや上がります
まず初期能力についてですが、
『テックツリーを開発
(ゲーム中では調査といいます)しやすい』
能力を持つものがあり、
これがかなり強くなっています
他の能力は何らかのタイミングで
1ゴールドや1ワーカーをもらえたり
節約出来たりといったものが多く、
他の特殊能力系でも
発動機会がゲーム中2回前後と少ないので
『テックツリーを調査しやすい』能力は
明らかに異質です
このゲームは”決められたラウンド数で終了
する”アグリコラのようなタイプではなく
”目標達成のゴールテープを誰でもいいから
4個(2人時は3個)切ったら”終了という
『成長が早いほうが
ゲームをコントロールできて有利』なタイプ
なので
なおさら『テックツリーを調査しやすい』=
『1手番の価値が高まりやすい』能力は
ゲーム開始時から圧倒的に有利な立場
になります
初期能力が弱いものも後半は
ほどほどに強くなっていきますが
あくまで『後半に強くなる』ので、
終了条件と圧倒的に相性が悪く
無策ではテックツリー&指導者まわりで
大量得点される一方的なゲーム展開を
眺めているだけのゲームになってしまいます
積極的な妨害(テックツリー関係のカードを
カットするなど)や
迅速な能力の成長が必要になるので、
どうしてもカード内容をある程度
把握してから戦略を練る必要があります
これらの特性から
『初回からみんなが楽しめるゲーム』
というよりかは
『慣れた人同士で本気で遊ぶゲーム』
になっています

調査のご褒美的なものですが、
こちらもバランスに難ありです
また指導者カードもかなり差があります
指導者カードは、まだ誰も調査していない
テクノロジーエリア(テックツリー)を
調査したときにもらえるご褒美の
ようなものなのですが、
同じ世代のものでも
『2ゴールド得る』だけのものから
『自分だけ2点を得る』ものまであります
2点=『2ワーカー+2手番分』 または
『2~3ゴールド+1ワーカー+
1~2手番分』の価値目安です
(レベル1のテックツリーを2か所または
レベル2のテックツリーを1か所調査する
のと同じ点数なので)
戦略だけが重要なゲームだと
実力勝負になるので、
リプレイ性を上げるためにも
運の要素をいれてゆらぎをつくりたい
意図は分かりますが
正直ここまで振れ幅があると、
不公平感を感じる場面も出てくると思います
どれも一切打つ手がないほどの
決定的な差ではありませんが、
全体的に好みが大きく分かれる
バランス調整がされているな、と感じました

目標カード裏面が1枚だけ色味が異なるので
ここもちょっと惜しいポイント
②兵士や入植者まわりのストレス(戦力値表示方法、入植や要塞化の手間)

次に星系の代わりに入ってきた
土地探索の要素ですが、
この辺も良くなったと感じる方と
うーんと感じる方で
ハッキリ別れる仕様だなと感じました
まず今回、土地はタイルで管理するので
探索をした分だけ机の上に広がっていきます
また、それとは別にサプライとして
3種3枚ずつ計9枚を常に展開するので
土地探索まわりは
広い場所が必要な仕様に変わっています

加えて、前作では宇宙船の戦力値は
特殊ダイスの目を変えて管理する仕様ですが
今作の宇宙船にあたる兵士/入植者は
人口コマの上に
対応する数値のチップを乗せて管理します
チップは両面仕様になっていて
1と2、3と4,5と6というふうに
計3枚を乗せ換えたりひっくり返したり
といった感じで都度交換・管理していきます

この仕様が個人的にはストレスを感じました
人口コマには窪みなどはなく、
本当にチップを乗せているだけなので
プレイ中に服の裾が当たった拍子に
チップが落ちてしまい、
何の戦力値が乗ってたっけ……
ということがしばしば起きます
なのでこの仕様は人によって
やりづらさを感じてしまうと思います

というわけではないですが…
また、入植/要塞化の実行にあたって
かなり工程を踏む必要があるので
そのあたりも好みが分かれそうな変更だと
思いました
今回入植/要塞化するためには
①兵士/入植者をポップさせる
↓
②兵士/入植者を対象の土地に移動させる
↓
②兵士/入植者を対象土地の防御力以上の
戦力値になるまで強化する(0~3回程)
↓
③コストを払って入植/要塞化トークンを
獲得
↓
④トークンを消費して入植/要塞化を
実行する(③と同手番に可能)
という工程を経る必要があります
かつ、要塞化するためには先に対象の土地を
(誰でもいいので)入植する必要があるので
実際はこの工程を2巡してやっと
1入植1要塞化が完了する仕様に
なっています
かなりの手番とリソースを消費する分
もらえる効果や得点の配分は
高めになっていますが
正直展開が遅いな……という印象は
拭えません

テックツリーの調査ボーナスによって
この工程をちょいちょい短縮することも
出来るのですが
もらえるボーナスは
ある程度運に左右されるので
狙って短縮……は少し難しい状況です
テックツリーの調査という要素と
土地の探索という要素はこのゲーム的には
相互作用がかなり薄いので
どちらかを育てればどちらかが明らかに
やりやすくなるというわけでもありません
結果としてゲーム中要塞化は
2~3か所前後が限度というのが現状で、
入植や要塞化に特化した能力は
少々活躍の機会が少ないのが残念です
総合すると、入植/要塞化周りの仕様変更は
人によってうーん……なポイントに
なるかなという印象でした

人口コマの活動/休止は天地裏返しで管理しますが、
形状が似ているので少々分かりづらさも
③かなり広めの机のスペースが必要

上記の土地探索まわりに加えて、
テックツリーのボード、
人数分の個人ボードを展開していくので
プレイの際には広めの机が必要です
2人プレイ時でも
140×80くらいのスペースは欲しいかな
という感じの広がり具合なので、
物理的に遊ぶ場所を選びます
良かった点のまとめ
色々と気になる箇所があるゲームなのは
間違いありませんが、
『気になった点』があることによって
独特のやりごたえ・面白さを提供している
作品になっています
具体的には3つあり、
①テーマ替えでとっつきやすくなった
②攻略法を考えるのが楽しい
③明瞭でリプレイしやすい
な点です
それぞれ詳しく見ていきます!
(※概要だけでいいよ!という方は
次の項目まで飛ばしてくださいね)
①テーマ替えでとっつきやすくなった

これは個人的にかなり良かった点です
前作の宇宙テーマ&無機質シンプルデザイン
も魅力的でしたが、
ルールとテーマの一致度が少々低めで
リプレイの腰が重かったと感じました
ですが今作はテーマとルールが一致
しているので
ルールを覚えたり思い出すための
負荷が軽く
明らかにリプレイしやすくなっています
テーマとルールの一致って
プレイヤーの負担を減らすんだな……
ということを大きく実感した瞬間でした
②攻略法を考えるのが楽しい

この②の良さこそ私たちの考える
この作品の面白さであり、
バランスの危うさと面白さが
表裏一体になっている作品だと考えます
(なので、人を選ぶという結論です)
と言いますのも、上記でご説明させて頂いた
『気になる点』ですが、
初回~2,3回プレイするまでは
「え、バランス悪い……」と
受け取ってしまいますが
(そして実際不均衡ですが)
慣れてくると
だんだん攻略法が分かってきます
ゲーム開始時に戦略を立てる必要と、
1手も間違えられない緊張感はありますが、
それを超えて強い能力を完封できた時の
嬉しさと言ったら!
賛辞を送ってくれ!!!!と叫びたいほどの
達成感が味わえます
実際、戦っていたはずの
すずたくん(強能力使用)に勝てたとき、
対戦相手のはずのすずたくんですら
拍手をしてくれました
ゲームに感じる面白さは人それぞれですが、
理不尽ともいえるバランス調整に対して
心が折れるのではなく、
「こう戦えば完封できるのでは?」と
自分で攻略法を考えられる方&
その作戦がピタッとはまった時の
楽しさがお好きな方には
気になる点を超えて、
(なんだこれ……の数回を超えて)
ぜひその達成感を一度は
味わってほしいです!
③明瞭でリプレイしやすい

これは①テーマ替えでとっつきやすくなった
ことに加えて、扱う要素の多さに対して
1つ1つの処理はシンプルかつ明瞭で
ある程度見ればわかるようになっています
さらに、アクション関係はアイコン表記で
パッと見て分かるようになっていますし、
入植/要塞化の仕様もいくつか確認すれば
期間が空いてもすぐに思い出せる・
遊べるように工夫が凝らされています

この点は前作の弱点を
かなり大きく克服したいい点だと考えます
(サマリーは欲しかったですが……!)
ゲーム内容、要素の多さに対して
なるべく負荷を軽くしようという
開発者の方の努力が感じられるため、
素直にありがたいなーと感じました

繰り返し遊んで面白さが分かるタイプの
ゲームだからこそ、
この点は大きな利点だと思います

総合すると人を選ぶことは
間違いないけれど、
独自の良さもある作品です

鍛えられしフ〇ム戦士的な
ゲーマーさんには手放しで
オススメできる作品かな
実際のプレイ時間は?

初回は120分、慣れると100分前後
要素が多いので、
最初はそこそこかかりますが
慣れてからはプレイ時間が
ぐっと縮まるかと思います
休日にゆったりと遊ぶのがおすすめです
2人プレイは面白い?
相手を選ぶけれど楽しめる!
経験者と初見さんではかなり差が
開いてしまうタイプのゲームなので、
遊ぶ相手は選びますが
2人でも十分楽しめます!
どういう人におすすめ?

自分で攻略法を見つけるのがお好きな方
実力・練度差が出るゲームがお好きな方
少ない資源をやりくりするのがお好きな方
におすすめです

手放しで万人にオススメは
できないけれど、
上記にあてはまる方には
ぜひ遊んでみてほしいかな!

それでも最初の数回は
バランス調整に
振り回されることを
覚悟しておいた方が
いいかもね……

あーーーー! 話してたら
遊びたくなってきた!

では、今回はここまでです
どうぞ素敵な1日を!
▼駿河屋
ボードゲームビヨンド・ザ・ホライゾン 日本語版 (Beyond the Horizon)